出る杭は打たれる、出すぎた杭は打たれない

と言う格言があります。組織が全員一丸となって一定の規律で物事に取り組む際に、「破格の人」は特別扱いしよう、といった風に取れます。出すぎた杭の私的な解釈は「皆が一目おく実力を踏まえた破格の人」であって「実力のない破格の人」は、規律を乱す単なる非常識人であり、杭として機能しない粗悪な木材です。粗悪な木材は引き抜かれ、波間に打ち捨てられ、荒波にもまれ、虫に喰われて朽ち果てるのみです。


「破格の人」は言いかえると「霧のように掴みどころがないが、全体を護っている人」です。視点と視野、理解度が圧倒的に異なります。個人の視点、組織の視点、会社の視点、地域の視点、国の視点と自在に切り替えることができ、視点に見合った視野で全体を見渡すことができます。全体を見渡しながらも局所的な問題にも取り組むことができ、次元の異なる人の視点と理解度に合わせてコミュニケーションが可能です。放置しているようで柔らかく包みこんでいる、アバウトでありながら几帳面な人と言ってもいいでしょう。


個性とは何も持たず備えずして本来のご自分に備わっている性質です。ご自分では自覚できませんが、他の人からは「あ、あの人だ」と一目で観測できるものです。制服を着ていようが、背広を着ていようが無個性になどなりません。見た目の派手さや、言動を左右にしてミステリアスに思わせ、思想がエキセントリックだから「個性」で「破格の人」になれるのではありませんのでご注意下さい。