経験則は全てに勝る、と言っても・・・

またしても理屈をこねくり回してすみませんが、経験則は可能ならば理屈に落とし、マニュアル化しないとその人が倒れたり、亡くなられたりした場合に、後に残った人達がてんやわんやすることになります。「いいからとに角やってご覧」では人は納得できませんし、動きません。言葉は悪いですが、経験則を高めた方は、自分自身のコピーを作りたくなるのです。そうすれば自分と同じ思想信条のコピーと共に倍の行動ができるようになるからです。


武術でも神仏の教えでも、秘術の口伝やお経、祝詞、賛美歌という形で伝承され、文字に残りながら伝えられてきました。先人はノウハウを口伝では残しきれないのを知って文字に託したのですが、受け取った人達の常識や解釈によって徐々に歪められてしまう事も多々あります。


全くの初心者が正しい手順で最短の時間と効率で基本を学び、半人前、1人前へと進められるためにまずは経験則を解りやすく噛み砕いたマニュアルというノウハウ集が必要なのです。基本を反復練習してからでないと応用は利きませんし、経験則を高めた人の境地までは到達できません。到達するには、地道に日々を積み重ねていくしかないのです。エスカレータやヘリコプターはあるかもしれませんが、思想信条まではすぐに身につくものではありません。


思えば私も仕事に限らず、先人達に多大なるご迷惑をおかけしていました。先人達へのご恩に報いるには、先人への感謝だけでなく、自分が今度は若い人達の面倒を見ることで次代へと繋げていきたいと思います。ペイフォワードや日本人独特の思いやりの精神ですね。